この人の名前と経歴そして伊藤忠商事、何か興味を惹かれる。終戦と同時にシベリアに渡り抑留され、帰還と同時に国の中枢に食い込みながら、数々の商談をまとめあげる裏方に徹する。黒幕と言っても尻尾をつかませず、また、表舞台で華やかに出てこない渋さ。
参謀の中でも、ある意味、したたかだったのだろうが、その人となりを知る上で参考になった本である。シベリア抑留の辛さは、体験した人以外に知る由もないが、学生時代の英語の教授がシベリア抑留経験者だったので、工学系学生としては退屈な英語の講義だったが、講義が横にそれた時の戦争を語るその人の話がやけに生々しく心に刻まれている。
瀬島隆三の抑留中の記述は少ない。本人もあまり語ってないのかもしれないが、真実は小説よりも奇なり、と言われるように、もしかしたら自分が知っている壮絶な物語ではなく、ある意味で平凡な捕虜生活だったのかも知れない。また、彼が語ったものがあれば、探してみようと思う。
2010年12月30日木曜日
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