2009年11月28日土曜日

思考の整理学

書店の入り口に積んであった東大生に最も読まれている本、とかいう宣伝文句にうっかり引っかかって買ってしまった一冊。著者の外山滋比古さんは英文 学者ということだが、まったくもって門外漢の私が最近の文系への揺り戻しによって興味を持ってしまった人でもある。まぁ、要は、考えが煮詰まった時やまと めるのが大変な時に、ちょっとしたひらめきでその考えを整理する事ができるってことをエッセイ風にまとめてくれた本ということである。

こ の前読んだ記号論への招待にしてもそうだが、文学の世界から思考や言語を解析して人間の本質に迫るという点では、理系一辺倒で来た自分の頭にはいい刺激に なっている。ただ、読み続けることが難しい内容なので、途中で放り出してしまう危険をはらみながら、積んどく状態をはさんで読み進めて来た。これも、一つ の整理の方法であると著者は書いている。

昔参加した外国での会議でも結論が出なければ、棚上げという決着を見て来た。と、言って、取りやめてしまう訳ではないが、結論が出ない議論に対する収束の方法だったんだなと、今になって気付いた。手遅れ?

暁の珊瑚海

文庫本を買いあさって読むのは昼休みの一時の楽しみであるが、そんな時手に取ったのがこれ。珊瑚海には行った事が無いが、名前の通り美しいのであろう。そんな美しい海で繰り広げられた第2次世界大戦で最初の本格的な航空母艦同士の戦いを日米両国の資料や生存者の証言から正確に書き起こそうとした努力が随所に見られる。

戦争史実モノなので人の発する言葉や行間に感情移入すべき所は無いが、正確に綴られる状況が頭の中に見えるようである。しかし、日本海軍はこんなところまで出かけて戦線拡大を図ったのかと思うと、素人目にもかなりの無謀さがうかがえる。戦略的な拠点確保ということは解るが、日本海軍にとってポートモレスビーを攻略できなかったのは、筆者が述べているように戦略上の勝利は米国、戦術上の勝利は日本という、その後の戦いの優劣を決める上で重要な失敗だったのだろう。

戦争の無い平和な世界は理想だが、戦いの中から生まれる相互理解と精神的な進化がそのプロセスとして必要なんだろう。

2009年11月23日月曜日

Hey Gim,

と、言う事で、今日はトレーニングジムなるものに行って来た。人間ドックで脂肪肝と言われ運動不足を指摘されて気にはなっていたのだが、中々気が乗らないまま過ぎていた。惰性で過ごす3連休ももったいないなと思い、午前中から天気もよくなって来たので、ものは試しと最寄りのジムに行った。

まぁ、機械によってトレーニングされるのは仕方ないにしても、みんなが一様にベルトの上を走っているのはちょっと滑稽である。でも、そうでもしないと都会では脂肪が燃えないのである。しばらく、定期的に通ってみようと思うのであった。

今日のトレーニングで消費したカロリー分追加で食べないようにしないとなぁ、、、

2009年11月21日土曜日

言語は記号である

久しぶりに勉強になる本を買って読んだ。人に勧められた本であるが、記号論は批判の学問であると最後に締めくくられていて、さらに興味を惹かれたが、難解であったことは事実である。文系の人から教えてもらったものであるので、単純な思考回路の理系の人間には、その奥深さまで完全に理解できてないので、何度も読みながら教えてもらおうと常に持ち歩く事にした。

確かに人間の感情を言葉や文字で表すと、国や人種が違うと同じ感情でも表し方が異なる。同じ日本人で同じ言語を使っても異なる場合がある。何故、そのような事が起こるのかというのが記号論の目指す所である。文化の解読のための記号論という事だそうだが、完全に理解できるまでまだまだ時間がかかりそうだ。


最近自己中心的にいろんな物事を考え行動してしまったかな。ちょっと反省せねば。

2009年11月17日火曜日

熱砂

久しぶりに高嶋哲夫の文庫本を読んだ。いつも、クールに殺伐としたシーンを描きながら、戦いの中の愛情を時折織り込んでくれるところが好きである。有名カメラマンが実は戦場カメラマンで、昔愛した女を引きずりながら新しい愛を育む。裏切られた友情と頼られる友情の間で苦しみながら、最後はアフガニスタンの為に死んで行く、二つの命を残して。ミッドナイトイーグルを読んでファンになって、この本を読んでもっとのめり込んでしまいました。アフガニスタンの現状は決してこんな簡単なものじゃないだろうとは思いながら、国のことを真剣に考える若者が少ないことに将来が心配になってしまった。

平和が続いているからなのかも知れないが、命をかける仕事に巡り合える幸せを感じたいものである。その緊張感を解きほぐすのは愛、ですかね。ときめきを忘れたら、男は終わりです。

2009年11月14日土曜日

長い週末

今週は長かった。そして、この週末も長い。今は小休止。「沈まぬ太陽」にはまってやっと読み終わった。先に映画を観てしまったが、原書の方がずっと面白い。やっぱり、映画でこの物語を魅せるのは難しいだろうと思った。必要悪を認める一方、頑固さだけでもうまくいかないことは、身を持って経験しているが、それをアフリカの太陽に仕立てるあたりが壮大な気分にさせてくれた。

外はすごい雨になってきた。この週末は、何かと考えさせる、長~~い週末である。

2009年11月9日月曜日

さすがWNI

やりますねぇウェザーニュース、「しらせ」を購入して船橋港に係留し、豪雨レーダーを設置するとは。いや、さすが、民間気象会社なのに、その取り組みには頭が下がる。気象庁と台風の目の進路を巡る公開討論など、まさに、お役所仕事に正々堂々と戦いを挑むその姿勢こそ、船乗りを助けるために立ち上がった OCEANROUTEの精神を引き継いでいると言える。

閑話休題

今日は仕事を早く切り上げて、自宅最寄り駅の二つ手前で降りて歩いて帰ってみた。夜の帳が降りる頃、普段歩かない道を歩いてみると、古いドラマで帰宅する昭和のお父さんのような気がして来た。やっぱり、歳だね。

2009年11月8日日曜日

今時のかもめ

今日、日曜日の日経新聞朝刊文化面(最終ページ)うたの動物記にこんなことが書いてあった。
『旅路の果てには海があり、海には波止場があり、波止場の突堤には傷心の男(あるいは女)がひとり佇んでいる。そしてその頭上にはいつも白いカモメが舞っている。というのが「うた」の定番的シチュエーションである。』

今時こんなシーンに出くわすことは良く考えれば無いのかも知れないが、自分の記憶の中では岸壁に一人で佇む人を見かけたことはある。自分もそうだった。歌、とくに演歌ではこの組み合わせは必須である。港には恋沙汰が付属品のようについていると言っても過言ではなかった。

カモメは渡り鳥だから、島から島へ、船から船へと渡って行き、いろんな人間模様を見て来た事だろう。でも、最近の歌の歌詞にはカモメとか港が出て来ることはほとんど無い。それだけ、身近な存在では無くなってしまったということかな。今時のかもめは、こういう世相をどう見ているのだろうか。

「わたしゃ発つ鳥ぃ、波に聞け、チョイ」とでも言われるのであろうか。波止場とカモメに代わる何かが必要ってことなのかね。

2009年11月7日土曜日

アサヒビール

アサヒビール復刻版を見つけたので、今日はこれを飲もうと買って来た。日本のビールは朝日(アサヒ)のマークが似合うと思う。海上での日の出と日の入りを見た事があるとわかるのだが、まさに軍艦旗なのである。しかも、雲がかかっていると尚の事である。

なんか、こう、叶わぬものに立ち向かうときの意気込みというか、気合いというか、アサヒビールのラベルを見ると、それを感じるのである。

これも昭和ノスタルジーだな。「男は黙ってサッポロビール」、三船敏郎のコマーシャルを覚えている人はぜひ飲むべし。

ハッとする瞬間

エレベータの扉が開いて降りようとした時、ハッとして心がときめいた経験はないだろうか。駅の階段を上ろうと通路の角を曲がろうとしてばったり出会うとか、オフィスのドアを開けた時そこに立っていた、とか。別に意識している訳ではないけれど、そういう瞬間に、何か感じるものがある。昔風に言うと、電流が走るとでも言おうか。

ま、ただ、それだけ。同床異夢のことを異夢同床と言って、笑われた。あぁ、恥ずかしい。もっと日本語を勉強しなくちゃね。

2009年11月3日火曜日

奥久慈の旅

奥久慈の温泉というと日本三大瀑布の一つ袋田の滝の下流の袋田温泉へ行ってみるか、ということで久しぶりの一泊関東近場温泉旅行に行って来た。月待の滝、袋田の滝、生瀬の滝、と3つの滝を見て回り、マイナスイオンで心を落ち着け、渓流露天風呂でりんご湯につかり、身体を温めた。
紅葉は見頃の少し前と言う感じだが、適度に赤や黄色が交じっていて、秋は感じられた。日が沈むと急に寒くなり、さすが茨城の北部を感じさせる。生瀬の滝は、非常階段よりも急な階段を登らなければ観る事ができないので、体力の無い身には辛かったが、袋田の滝の上流の小振りな滝は、決して下から見上げることが出来ないので、無理をしても階段を登りきって観るべきである。

車で旅をする時は、ひなびたローカル鉄道の駅に立ち寄る。那珂ICで常磐自動車道を降りると、水郡線沿いを北上。玉川村駅〜袋田駅間では、ディーゼル列車に乗ってみた。

翌日は、国道461号を使い山越えで高萩市に抜け、国道6号を北上し、福島との県境に近い五浦海岸で折り返し。茨城県天心記念五浦美術館の駐車場に車を止めて、断崖絶壁まで歩いて降りて、波のくだける音を聞く。

そして、国道6号を南下。かつて在った桜川駅跡、大甕駅(おおみか)、 日立駅、阿字ケ浦駅、那珂湊駅。車で走ると、鉄道との共存共栄ができなかったのかと常々思うのである。那珂湊の魚市場の回転寿しを喰らい、ETC割引で安くなった北関東自動車道から常磐自動車道を使って帰って来た。

実走行時間24時間の総走行距離470Km。のんびり走る今回は、1800ccのプリウスを借りてハイブリッドエコ走行。燃費の良さはさすがでしたね。

今回のお勧めは、月待の滝のそばにある蕎麦処「もみじ苑」。注文してから口に入るまで、50分待ちましたが、待った甲斐がある旨さ。あっという間に食べ終わって、ちょっと残念。滝を見下ろしながら食べる手打ち蕎麦は、心地良いのどごし、この絶妙の組み合わせが最高である。川床もあって、この時期はちょっと寒いが、夏はさぞかし心地良いことだろう。室内にはそうめん流しのセットもあったが、これはちょっとやりすぎ。


那珂湊の魚市場に隣接する回転寿しは、味がどうのこうのというよりも、ネタの鮮度の良さだけが売り物のはず。だが、、、あれなら街中の寿司屋を探してゆっくり腰を落ち着けて食べた方がいいな。むしろ、魚市場で魚を買う人があんなに多いなんて驚きでした。もう一泊、余裕を持って回れば、旨い魚料理に巡り会えたかもしれない。

欧米人に比べたらかわいい一泊二日の自動車で行く温泉旅行。仕事を忘れるには、ちょっと短過ぎ。でも、太平洋の海風に吹かれて、ちょっと癒された感じがする。