2010年11月7日日曜日

輪違屋糸里 下 [文庫]

上巻を読み終えるのに時間がかかった割に、下巻は一気に読んでしまった。週末の一人の時間が長かったのでのんびり読んでいたが、やはり芹沢暗殺に至るいきさつとその後の糸里の気丈な振る舞いと太夫としての立ち居振る舞いは、浅田次郎の時代を感じさせる書きっぷりと京言葉の魔力か、一気に読んでいるものをその時代に引き込んでくれた。

最後、吉栄が糸里の生まれ故郷、小浜でひっそりと平間の子どもを産んで育てる決意を固めるあたりは、現代にあって、江戸時代のおんなとしての生き方を彷彿とさせてくれる。新撰組の人物描写については、文章では理解できないところが多かったのが残念。

久々に読んだ浅田次郎だった。

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