2010年11月21日日曜日

経度への挑戦 (角川文庫) [文庫]

大海原を航海する者にとって、時間を知る術は非常に重要である。位置と時間を知ることができなければ、それは死をも意味するのである。大昔の大航海時代に天文学者と職人の戦いから生まれた時間と経度。その史実の記述が実に興味深い。

緯度と経度。緯度で季節を知り、経度で時を知る。良く出来ていると思う。経度0度を巡るイギリスとフランスの確執。ヨーロッパの列強達が、未知の大海に乗り出して行くことがどんなに大変だったか。西を目指した彼らはどのようにして「時」すなわち「経度」を知り得たのか。

地球が球体で、約24時間で一回りしながら、太陽の周りを約365日かけて、傾いて、公転している。この事が、時間という4次元空間を紡ぎ出していると言えるのだろう。非常に興味深い読み物であった。

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