2009年11月28日土曜日

暁の珊瑚海

文庫本を買いあさって読むのは昼休みの一時の楽しみであるが、そんな時手に取ったのがこれ。珊瑚海には行った事が無いが、名前の通り美しいのであろう。そんな美しい海で繰り広げられた第2次世界大戦で最初の本格的な航空母艦同士の戦いを日米両国の資料や生存者の証言から正確に書き起こそうとした努力が随所に見られる。

戦争史実モノなので人の発する言葉や行間に感情移入すべき所は無いが、正確に綴られる状況が頭の中に見えるようである。しかし、日本海軍はこんなところまで出かけて戦線拡大を図ったのかと思うと、素人目にもかなりの無謀さがうかがえる。戦略的な拠点確保ということは解るが、日本海軍にとってポートモレスビーを攻略できなかったのは、筆者が述べているように戦略上の勝利は米国、戦術上の勝利は日本という、その後の戦いの優劣を決める上で重要な失敗だったのだろう。

戦争の無い平和な世界は理想だが、戦いの中から生まれる相互理解と精神的な進化がそのプロセスとして必要なんだろう。

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